◆ 仙人について
仙籍を得た人(王の任命または昇仙)
・仙籍に入ると額に第三の目が出来ると言われ、不老長寿で高位の仙には神通力がある
 ※本来言葉の通じない海客が仙になると言葉が分る
 ※相当の怪我でも見た目ほど重傷ではなく、治癒も早い、斬首すれば死ぬ
・仙籍は出入りができる(基本的に国官はその任にある間だけ)
 ※昇仙者の場合は? 西王母に願って昇仙したら西王母になら除籍できるとか?
 
・地仙―国政に携わる仙
※官吏の親と妻子は一緒に仙籍に入れる事が可能(この場合は下仙?)
 兄弟縁者はだめだが優先的に官吏への登用はある
・下仙―飛仙に仕える仙
・飛仙―伯以上の仙と国政にかかわらない仙
※伯以上の仙は虚海を越えられる力がある
・天仙―人と交わってはならない(神籍?)
 
―昇仙について―
五穀を絶ち西王母の廟に通い続ける、満願成就すると仙へ召し上げられる
 ※他にも方法があるのか?
 
―現時点で実在が確認されていない天神・天仙―
天帝てんてい――世界と摂理を創造したと言われる神、子宝を願う
堯帝ぎょうてい――豊作を願う神
禹帝うてい――水害を逃れる神
黄帝こうてい――妖魔を逃れる神
催上玄君さいじょうげんくん――里木に子を願う人の名簿を作り、西王母に献上する
送生玄君そうじょうげんくん――子供のもとを捏ねて卵果にする
送子玄君そうしげんくん――里木に卵果を運ぶ

◆ 蝕について
蓬莱や崑崙の世界と重なると起こる
・気が乱れ天変地異が起こる
・卵果が流されたり、海客や山客が流されて来ることがある
・蓬莱(崑崙)へ行き来すると起る
・本来は雲海の上では起らない、鳴蝕は例外
 
鳴蝕めいしょく――麒麟の悲鳴が招く極小の蝕、自ら起すことができる
 
―蓬莱への往来について―
月の呪力を借り月の影に開く 呉剛の門ごごうのもん が2つの世界を繋ぐ
開くための呪物か能力が必要、黄海や雲海の上では開かない
・渡れるのは、麒麟、妖魔、神籍である王、伯以上の飛仙
・妖である麒麟や妖魔の場合は蝕は小さい、飛仙よりも力のある王の方が蝕は大きい
・蓬莱では本来の形を保てない(幻のよう、別の姿、声だけ、姿だけ 等)
 胎果の王や麒麟は形を保てる(但し、蓬莱にいた時の姿形)
※崑崙への行き来する方法は?
 
―胎果について―
蝕で蓬莱(崑崙)に流された卵果から生れた者
流された卵果は女性の胎内に宿り、人として生れる
※姿形は蓬莱(崑崙)に合った姿だが、こちらに来ると本来の姿になり、向うへ行くとあちらでの姿になる
蓬莱(崑崙)の姿は胎殻たいかくという肉の皮を被っている状態で皮の表裏のような感じ
※たまたま流された卵果がまた、たまたま蝕で流されるということは滅多にあると思えないので、胎果は連れ戻された王と麒麟だけか?

◆ 王と麒麟
王―――――
・麒麟の選定を受け、契約することで王になる(正式にはその後、蓬山で天勅を受けてから)
・その国の生れでなければ王になれない
・王になった時から神籍に入り、不老不死で神通力を得る、天命が尽きれば死ぬ
麒麟――――
・最高位の霊獣、二形の妖の獣で普段は人の形、麒が雄、麟が雌
・獣形―額に真珠色の1本角、通常は金の髪(鬣)、雌黄の毛並みで背は五色、仙骨で身は軽い
 ※めずらしい黒麒は鋼色で背は黒に銀と雲母を散らす
・転変てんぺん―獣形になること
・成長―蓬山の捨身木になる、生れて5年程は獣形で角はなく言葉もわからない血にも強い
 人獣変わるようになり、角が現れると同時に乳離れし完全な人形になる、角が伸びきると成獣、乳離れした時点で生国に報がもたらされ選定の時期に入る
 ※麒麟が死ぬと同時に新しい卵果がなる
 ※蓬山にいる間は麒麟が蓬山の主で蓬山公と呼ばれる
・角――力の源、天地からの気力を取り入れる場所でもあり、力を発する場所
 角を触られるのを嫌う
 角を封じられると転変できず、獣形の時には人の姿になれず喋れない
 人形の時には僅かな膨らみがある程度
・天意により王を選び、側を離れず、命に背かない、王にしか仕えず、王以外に平伏しない
・争いを厭い、血を恐れる、血の穢れで病む、蝕を起こせる、妖魔を使令に下せる
・宰輔としては、外殿に出仕し朝議に参加、内殿にて王の側で政務補佐、州候としての政務
※血の穢れで病むことを穢瘁えすいと言う
・死後―棺に入れられ殯宮もがりのみやに安置、殯の間は堂は封印され、終わって出される頃には使令に食われ空になっている
 
失道しつどう――――
・王が道を誤り天命を失うと麒麟が病む、麒麟が死ねば王も死ぬ
※覿面の大罪を犯した場合は国氏が変わる
 空位の間消えて使えない玉璽の印影が新王の時に変っている
禅譲ぜんじょう――――
・王が蓬山へ赴き自ら位を下りること
・この場合に限り王は遺言を残せる(白雉が末声と共に鳴く)
・この場合麒麟は助かり、次の王を選ぶことになる
 
―王の選定と契約―
麒麟が王の選定に入る知らせが国に入ると、王にならんとする者(中には人に薦められて)が蓬山へ昇山し、麒麟に面会して天意を諮る
 ※昇山は一度しか許されない
麒麟には王気が分る、また自らの王以外に平伏できないので間違えて契約することはない
 ※王気は光であったり、覇気であったりと様々
 麒麟は王の側に居たがるので、離れたくない方、行きたい方に居ると思われる
幾度の安闔日を過ぎても昇山者の中に王が現れない場合は麒麟が自ら蓬山を下りて探しに行く
 
契約―麒麟が王の足に額づき
麒麟:御前を離れず、詔命に背かず、忠誠を誓うと誓約します
王:許す
 
契約後、吉日を待って蓬廬宮で天勅を受け、玄武に送られ王宮へ渡る
 
天勅―
いわく、元初に九州四夷あり。
百姓条理を知らず、天子条理を知れどもこれを嗤いて敬うことなし。
天地の理を蔑ろにし、仁道を疎かにして綱紀を軽んずること甚だし。
風煙毎に起こりて戦禍万里を燼灰にす。人馬失われて血溝を刻み大河をなす。
天帝、これを愁えて道を解き条理を正さんとせんも、人淫声に耽溺して享楽を恣にす。
帝悲嘆して決を下す。我、いまや九州四夷を平らげ、盤古の旧にかえし、
条理をもって天地を創世し綱紀をもってこれを開かん、と。
帝、十三国を拓き、中の一国をもって黄海・蓬山となし、王母をしてこれを安護せしむ。
残る十二国に王を配し、各々に枝を渡して国の基業となさしむ。
一虫あり。解けて天を持ち上げこれを支う。
三果あり。一果落ちて玉座をなし、一果落ちて国土をなし、一果落ちて民をなす。
枝は変じて玉筆をなせり。これをもって開檗とす。
太鋼の一にいわく。天下は仁道をもってこれを治むべし。
民を虐げてはならぬ、戦乱をたしなんではならぬ、税を重くし、令を重くしてはならぬ。
民を贄にしてはならぬ、民を売り買いしてはならぬ、公地を貯えてはならぬ、
それを許してはならぬ。道をおさめ、徳を重ねよ。
万民の安康をもって国家の幸福とせよ。
以下――天子の責務。宰相の責務。天地のなりたち、国家のなりたち、制度のなりたち。
 仁道とはなにか、礼とはなにか。してはならぬこと、すべきこと。
 定めるべきこと、定めるべからざること。

◆ 麒麟と使令
使令――――
・麒麟が使う妖魔、契約した僕
・天の摂理に組み込み二度と外れぬよう縛る、繋ぎ守る鎖は名前
・使令になると寿命がなく、人語をあやつり知能も高い
・麒麟の気力を食う、動けばその分気力を食う
・麒麟が死ぬと死体を食べ麒麟の力を己のものにする
※折伏される際に麒麟の力を見極め、麒麟の死後に得られる力を計る
 強い妖魔を折伏できる力があれば、妖魔が得られる力も大きい
 
―折伏しゃくふく
睨み合い、相手の覇気が緩んだ時に相手の名を読みとる
右手を頭上に上げ掌を突いて天意を受け、左手で足元を示して名前を呼ぶ
 
・折伏を有利に行うための方法
気力を保つため、折伏は午前中に行う
※午前は生気、午後は死気。また、鼻から吸う息は生気、口から吐く息は死気
・妖魔を裂ける禹歩うほ
・視線を避ける叩歯こうし
 右歯を噛み合せる槌天盤ついてんばん
・気を集中する前歯を鳴らす鳴天鼓めいてんこ
・妖魔の足を止めさせる九字呪言
 検印を腰に構え、抜刀して四縦五横「臨兵闘者皆陳烈前行」
・相手が覇気を失った時唱える呪言
 神勅明勅、天清地清。神君清君、不汚不濁。
 鬼魅降伏、陰陽和合。急急如律令。
 しんちょくめいちょく、てんせいちせい、じんくんせいくん、ふおふだく
 きみこうふく、おんみょうわごう、きゅうきゅうにょりつれい

◆ 天綱てんこう
天から与えられた定め、王といえど違反はできない
(太綱たいこう、施予綱せよこうとも言う)
※対して、王が自国で発する法を地鋼ちこうと言う
 
太鋼・天の巻・一巻<天子と台輔の心得>
一に曰く、天下は仁道をもってこれを治むべし。
民を虐げてはならぬ、戦乱をたしなんではならぬ、税を重くし、令を重くしてはならぬ。
民を贄にしてはならぬ、民を売り買いしてはならぬ、公地を貯えてはならぬ、 それを許してはならぬ。道をおさめ、徳を重ねよ。
万民の安康をもって国家の幸福とせよ。
 
太鋼・地の巻
井田法
 
その他
・3つの罪――仁道に悖る、自ら死を選ぶ、他国への侵攻
・人を売り買いしてはいけない
・奴隷を持ってはいけない
・他国の者とは婚姻できない
・子供を願えるのは婚姻した夫婦のみ
・伯以上の位は王の近親者、冢宰、三公に限る
・王がなければ九候の全て、王があっても九候のうち余州八候の半数以上が国にいないといけない
 九候と王の双方が欠けてはいけない、四候が一度に国を空けてはならない
・自国の麒麟は戸籍に含まれぬ
・王、冢宰、三公はその国の民でなければならぬ
・州には州候をおけ、郡には太守をおけ
・軍備の数の制限

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